神戸市垂水区の神戸徳洲会病院、糖尿病歴見落とし死亡医療事故多数
神戸市垂水区の神戸徳洲会病院で、糖尿病患者の死亡を含む医療事故が相次いでいることが明らかになっています。この問題に対し、神戸市は医療法人「徳洲会」に対して異例の改善命令を出しました。病院の安全管理体制の不備や糖尿病歴の見落とし、カテーテル治療による死亡などが指摘されており、市はこれらの問題の解決を求めています。
具体的には、昨年から今年にかけて、神戸市保健所に対して複数の告発書が届けられました。これらの告発書には、糖尿病患者の中には適切な治療を受けられずに死亡したケースが含まれており、特にカテーテル治療による死亡が多発していたことが明らかになりました。
神戸市垂水区に位置する神戸徳洲会病院の問題点
神戸市垂水区に位置する神戸徳洲会病院は、安全管理体制に問題があり、改善が求められています。以下に、神戸徳洲会病院の問題点について詳しく説明します。
1. 患者の死亡事例：神戸徳洲会病院では、カテーテルの治療などを受けた複数の患者が死亡しています。これにより、神戸市は安全管理体制に問題があると判断し、改善を求める行政指導を行いました。
2. 糖尿病治療の中断：70代の入院患者の場合、持病である糖尿病の薬の投与が一時的に行われず、事後の検証も不十分だったことが明らかになりました。このような状況では、患者の健康に重大な影響が及ぶ可能性があります。
3. 医療安全管理体制の不備：神戸市の調査によると、神戸徳洲会病院の安全管理体制には重大な不備があります。組織としてのガバナンスが機能しておらず、市民の命を守る立場として見過ごせない問題とされています。
4. 医療法に基づく改善命令：神戸市は、神戸徳洲会病院に対して医療法に基づく改善命令を出しました。具体的な計画の提出を求めており、安全管理体制の抜本的な見直しを行う必要があります。この改善命令に従わなかった場合、病院の業務停止が命じられる可能性もあります。
神戸徳洲会病院は、これらの問題点を真摯に受け止め、適正に対処する姿勢を示しています。改善に向けた計画の作成に取り組むとともに、神戸市の指導に従って安全管理体制の見直しを行う予定です。
病院の管理体制に関わる問題
病院の管理体制に関わる問題について、以下のような問題点が報告されています。
1. 死亡例への対応の未実施
- 神戸徳洲会病院では、死亡例に対して適切な対応が行われていなかったと指摘されています。複数の職員から治療に起因した可能性が指摘されたにも関わらず、病院管理者は医療安全対策委員会による検証を実施せず、医療安全体制の不備が続いていました。
2. 循環器内科の医療安全体制の不備
- 神戸徳洲会病院の循環器内科では、医療安全体制が不十分であったと報告されています。特に、HCU（High Care Unit高度治療室）における医療提供体制の不備や血管造影室（カテーテル室）における体制不備が指摘されています。
これらの問題点に対して、神戸市保健所は行政指導を行い、改善措置の実施を求めました。
患者の糖尿病歴の見落としによる医療事故について
患者の糖尿病歴の見落としによる医療事故について、神戸徳洲会病院での問題が報道されています。
神戸徳洲会病院では、糖尿病患者が適切な治療を受けられないまま死亡するなど、医療事故が疑われる事例が次々と明らかになっています。この問題は、昨年６月と７月に神戸市保健所に対して届いた告発書が端緒となりました。告発書には、同病院でカテーテル治療を受けた１３人の患者のうち６人が死亡し、７人の症状が悪化したと指摘されています。また、この中には処置のわずか数時間後に死亡した患者も含まれていました。
神戸市は、この告発書の内容を重く受け止め、病院の安全管理体制の是正を求めるために医療法人「徳洲会」に対し、医療法上の改善命令を出しました。この改善命令は異例のものであり、病院に改善措置計画書の提出を求め、従わない場合は業務停止を命じることができます。
具体的な問題としては、糖尿病患者のカルテにおける既往歴の見落としが挙げられます。例えば、別の医療機関で治療を受けた後に再入院した患者の場合、主治医が電子カルテに記載された持病を見落とし、適切な治療が行われないまま死亡してしまったケースがありました。
このような問題が起きた背景には、病院の安全管理体制の不備やガバナンスの問題が指摘されています。神戸市は、改善命令によって病院の安全管理体制の抜本的な改善を求めており、医療事故の防止やカルテの未記載を防止する対策などが含まれています。
神戸徳洲会病院での患者の糖尿病歴の見落としによる医療事故は、重大な問題として取り上げられています。このような事故を未然に防ぐためには、病院の安全管理体制の強化や医療従事者の適切な教育・訓練が必要です。
