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東京都警報:アライグマによる農作物被害とその対策

東京都警報:アライグマによる農作物被害とその対策

東京都では、豊かな自然が残る多摩地域や島しょ地域などで多くの野生動物が生息していますが、その一方で野生獣による農作物への被害が発生しています。特にアライグマは、都内の多摩地域を中心に増加を続け、最近では区部における生息範囲の拡大も見られています。

 

アライグマ問題とは?東京都内での被害状況

アライグマは北アメリカ原産の動物で、日本にはペットとして持ち込まれた後、野生化した個体が増加しました。東京都内では、アライグマによる農作物への食害や、絶滅危惧種への捕食など、多くの問題が報告されています。

 

アライグマ問題とは、東京都内で増加している特定外来生物であるアライグマによる被害のことを指します。アライグマは農作物への被害や絶滅危惧種の捕食など、様々な影響を及ぼしています。

 

被害状況:

  • 東京都環境局によると、東京23区内でのアライグマの相談件数は400件、ハクビシンの相談件数は3,079件と非常に多いです。

 

  • アライグマによる農作物への被害も発生しており、昨年度の被害金額は過去最多の851万円に上りました。

 

 

アライグマによる農作物への影響

アライグマは夜行性で、果物や野菜などを好んで食べます。そのため、農家の方々は収穫前の作物を守るために、さまざまな対策を講じています。

 

1. 家庭菜園の被害: アライグマはスイカやトウモロコシなどの家庭菜園の作物を食害することが多く、被害が最も大きい傾向があります。また、最近ではハウス栽培のイチゴやブドウにも被害が報告されています。

 

2. 農作物の食害以外の被害: アライグマは水稲の苗を倒したり、ハウスの被覆資材を破いたりするなど、農作物の食害以外にもさまざまな被害を引き起こすことがあります。

 

アライグマによる農作物への影響は深刻であり、日本国内では年間被害総額が3~4億円にも上ると言われています。特に最近のアライグマの生息数や生息域の拡大により、被害額が増加しているとされています。

 

絶滅危惧種への脅威:アライグマの捕食行動

アライグマは小動物も捕食するため、絶滅危惧種であるトウキョウサンショウウオなどの生態系にも影響を与えています。これらの種の保護を目的とした対策が急務です。

 

1. 食性の幅広さ:

   - アライグマは両生類、爬虫類、魚類、鳥類(卵)、哺乳類(死骸を含む)、昆虫類、甲殻類、その他の無脊椎動物、植物(果実など)と非常に幅広い食性を示します。

   - 特にザリガニ類を好むことが知られています。

 

2. 捕食対象の例:

   - 両生類: サンショウウオやカエルなど。

   - 無脊椎動物: 甲虫、トンボ、バッタ、アリ、ハチ、水生カメムシ類、ミミズ、カタツムリなど。

   - 魚類: ブラックバス、コイ、ナマズ、ウナギ、パイク、マスなど。

   - 爬虫類: ヘビやトカゲを食べることもありますが、あまり捕食しない傾向があります。

   - 海岸沿いに生息するアライグマは、二枚貝(カキやイガイ)、エビ、カニ、ウニなどを食べることもあります。

 

3. 他の動物の死骸を食べることも:

   - アライグマは時にはイノシシやシカの死骸を食べることもあります。

 

アライグマの食性の幅広さと他の動物の死骸を食べることから、アライグマは生態系において重要な役割を果たしています。しかし、アライグマの捕食行動が生態系に与える影響や、絶滅危惧種への脅威としての役割については、さらなる研究が必要です。

 

東京都のアライグマ対策:現状と課題

東京都では、アライグマの捕獲や生息地の管理を通じて、被害の拡大を防ぐための取り組みを行っています。しかし、完全な解決には至っておらず、今後の対策強化が求められています。

 

現状:

 

  • 特にアライグマは、多摩地域を中心に個体数が増加し、生息範囲も区部に広がっています。

 

課題:

  • アライグマやハクビシンは、多様な環境で生息が可能であり、高い繁殖力を持つため、個体数の増加や分布域の拡大が懸念されています。

 

  • これにより、農林水産業や生活環境への被害、生態系への影響、人間への健康被害などが引き起こされています。

 

対策:

  • 東京都では、「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」を策定し、区市町と連携しながら対策を進めています。

 

具体的な対策としては、以下のような取り組みが行われています:

 

  • 捕獲や駆除活動の実施:有害鳥獣捕獲許可に基づき、アライグマやハクビシンの捕獲数を増加させています。

 

  •   情報収集と啓発活動:市民への情報提供や啓発活動を通じて、アライグマやハクビシンに対する理解を深めてもらう取り組みが行われています。

 

  •   生息地の管理と環境整備:アライグマやハクビシンの生息地を管理し、繁殖や侵入を防ぐための環境整備が行われています。

 

これらの対策により、アライグマやハクビシンによる被害の軽減や生態系の保護が図られることが期待されています。しかし、依然として課題も存在しており、持続的な対策の必要性が求められています。

 

市民ができること:アライグマ被害防止のために

市民一人ひとりができる対策としては、ゴミの管理を徹底することや、アライグマに餌を与えないことが挙げられます。また、アライグマの目撃情報を関連機関に報告することも重要です。

 

1. アライグマを見かけたら:

   - アライグマには絶対に近づかず、えさやりはしないでください。えさやりをするとアライグマの人慣れが進み、被害が拡大する可能性があります。

 

   - 夜行性で基本的に臆病なため、アライグマから攻撃されることはほとんどありませんが、むやみに近づいたり刺激したりすると攻撃される可能性があるため注意が必要です。

 

   - アライグマの糞尿を処理する際にはマスクやゴム手袋を着用し、作業後は手を洗いましょう。

 

2. ねぐらをなくす対策:

   - アライグマの侵入を防ぐために、床下や土台の換気口、屋根の換気口、壁面の穴や戸袋の底面などを定期的に点検し、修理する必要があります。侵入口は1ヵ所とは限りませんので、見つかった侵入口はしっかりと塞ぐようにしましょう。

 

   - 庭木の枝が屋根にかかる前に定期的に剪定し、アライグマが枝を伝って屋内に侵入するのを防ぎましょう。

 

   - ねぐらの近くで煙が出る殺虫剤を焚いたり、忌避剤を撒いたりしてアライグマを追い出すことも有効です。

 

3. えさをなくす対策:

   - アライグマに絶対にえさを与えないでください。えさを与える行為は、アライグマが人馴れし、人の与えるえさに依存して自立できなくなるなどの影響を及ぼす可能性があります。近くに営巣することも多く、住宅地街である場合は被害を引き起こす原因となります。

 

   - ゴミ集積場ではゴミを出す時間を厳守し、ネットをかけることでアライグマの侵入を防ぐことができます。また、生ゴミやペットの残り餌などは屋外に放置せず、速やかに片付けるようにしましょう。農作物の未収穫物や落果実も農地に放置せず、速やかに片付けることが重要です。