高知 ゴトゴト石 略式起訴 大学生
高知県の神社にある人気の観光スポットである「ゴトゴト石」が人為的にずらされ、動かない状態になった事件に関連し、大学生6人が略式起訴されました。この事件は、高知市土佐山地区の仁井田神社の境内にある高さ約1メートル60センチの岩「ゴトゴト石」が、押すと「ゴトゴト」と音を立てる特徴から受験生などの験担ぎで人気を集めていたものです。しかし、去年11月になって「ゴトゴト石」が人為的にずらされ、動かない状態になっているのが発見されました。警察の捜査の結果、20代の大学生6人が関与していたことが判明し、彼らは器物損壊の罪で略式起訴されました。起訴状によると、彼らは岩を力任せに押した上で、岩の底に工具を突き立てたり丸太を挟み込んだりして固定したとされています。なお、残る1人についても関与が疑われており、引き続き捜査が行われています。
事件の概要
高知県の仁井田神社境内にある高さ約1メートル60センチの岩「ゴトゴト石」は、押すと「ゴトゴト」と音を立てる特徴から、受験生の験担ぎや観光スポットとして人気を集めていました。しかし、去年11月になって「ゴトゴト石」が人為的にずらされ、動かない状態になっているのが発見されました。この事件に関与したとして、20代の大学生6人が略式起訴されました。
【事件の経緯】
1. 事件発覚:去年11月、高知市土佐山地区の仁井田神社の境内で「ゴトゴト石」が人為的にずらされ、動かない状態になっているのが発見されました。
2. 捜査の展開:警察が事件を捜査し、関与者の特定に取り組みました。
3. 関与者の特定:捜査の結果、20代の大学生6人が「ゴトゴト石」のずらしに関与していたことが判明しました。
4. 書類送検:警察は関与した大学生6人を書類送検しました。
5. 略式起訴:高知区検察庁は、器物損壊の罪で6人を略式起訴しました。
【関与者の行為】
起訴状によると、関与した大学生6人は以下の行為を行いました:
- 岩を力任せに押した。
- 岩の底に工具を突き立てたり丸太を挟み込んだりして固定した。
【捜査の継続】
残る1人についても関与が疑われており、警察は引き続き捜査を進めています。
器物損壊容疑とは
器物損壊容疑とは、他人の所有物を故意に壊したり傷つけたりする疑いのことを指します。具体的には、他人の物を投げて壊したり、蹴飛ばして傷つけたりする行為が該当します。器物損壊容疑は、刑事事件において重要な要素となります。
1. 器物損壊罪の成立要件:
- 実行行為:他人の物を損壊または傷害する行為があること。
- 故意性:他人の物を損壊または傷害する意図があること。
- 結果発生:他人の物が損壊または傷害されたこと。
2. 器物損壊罪の刑罰:
- 法定刑:3年以下の懲役または30万円以下の罰金若しくは科料が課されます。
- 公訴時効:器物損壊罪は告訴がなければ起訴できない親告罪であり、告訴期限は犯罪の事実と加害者を知った時から6ヶ月以内です。
3. 器物損壊罪の範囲:
- 「他人の物」とは、他人が所有するすべての有体物を指します。
- ただし、公用文書毀棄罪や私用文書毀棄罪、建造物等損壊罪、動物愛護管理法違反など、特定の罪に該当する場合は別の罪として処罰されます。
4. 損壊または傷害の定義:
- 「損壊」とは物の性能や本来の価値を失わせることを指します。
- 「傷害」とはペットや家畜など動物に対する損壊を意味します。
器物損壊容疑は、刑事事件において重要な要素となります。容疑がかけられた場合は、適切な法的なアドバイスを受けることが重要です。
略式起訴の意味
略式起訴(りゃくしききそ)とは、通常の起訴手続きを簡略化した特別な裁判手続きであり、100万円以下の罰金・科料に相当する事件で利用されます。略式起訴では、被疑者の身柄は釈放され、公開の法廷での正式な裁判は行われません。
略式起訴と通常の起訴との違い
- 通常裁判では公開の法廷で当事者が出廷し、書証に加えて口頭で話したことも証拠として扱われます。一方、略式起訴では正式な裁判は開かれず、当事者が意見を述べる機会もなく、検察官から提出された書面でのみ審理されます。また、通常裁判では懲役刑など罰金刑以外の処分があり得ますが、略式起訴では100万円以下の罰金刑もしくは科料のみが言い渡されます。
略式起訴のメリットとデメリット
略式起訴のメリットは以下の通りです:
- 裁判に出席したり、証拠収集をする負担を回避できる。
- 非公開で事件処理が進むため、法廷で第三者に見られるリスクを抑えられる。
- 裁判が開かれないため、事件が早く終わる。
一方、略式起訴のデメリットは以下の通りです:
- 事実関係を争うことができなくなる。
- 違法な捜査によって得られた証拠がそのまま審理に使用されてしまう可能性がある。
略式命令の確率
令和3年度の統計によれば、略式起訴により終結した事件の件数は公判請求された事件の倍以上であり、略式起訴の確率は比較的高いことが示されています。
略式起訴の手続きの流れ
略式起訴を行うかどうかは検察官が判断します。検察官による取調べの後、略式起訴による事件処理が相当であると判断された場合、検察官から被疑者に略式起訴の意思確認が行われます。被疑者が略式起訴に同意し、罰金刑が言い渡される場合、略式起訴が成立し、事件は簡略化された手続きで終結します。