ヤマト宅急便、6月10日から「置き配」を開始！年間5億個の再配達を無くしていく狙い
ヤマト運輸は、2024年6月10日から主力の「宅急便」と「宅急便コンパクト」で「置き配」サービスを開始することを発表しました。このサービスの導入により、年間約5億個もの再配達を削減することを目指しています。
ヤマト運輸の「置き配」サービスは、荷物を玄関前などに届けることで、再配達の回数を減らし、ドライバーの負担を軽減することを目的としています。この取り組みは、物流業界が直面している「物流2024年問題」に対応するための一環です。
ヤマト運輸は、これまで通販サイト向けの配送サービスでのみ置き配指定が可能でしたが、今回の導入により、約5600万人の個人向け無料会員にも拡大されます。受け手の選択肢を増やすことで、人手不足が深刻化し、再配達の削減が求められる中で、より効率的な配送を実現することを目指しています。
ヤマトの置き配指定の対象は、「宅急便」と「宅急便コンパクト」であり、受け取り側の顧客は配送通知を受けた後、スマートフォンなどで日時と置き配場所を指定することができます。一方、発送側は、個人や法人を含めた全ての顧客が対象であり、発送側で受け取り方法を指定する必要はありません。
政府は、運転手不足による物流の停滞を懸念し、「2024年問題」に対応するため、宅配便の再配達率を削減する目標を掲げています。ヤマト運輸は、置き配サービスの拡大により、運転手の働き方改革や再配達の削減といった社会的な課題の解決に貢献する意向を示しています。
年間5億個の再配達削減に向けた取り組み
国土交通省は、宅配便の再配達削減に向けた取り組みを進めています。以下に、年間5億個の再配達削減に向けた具体的な取り組みを紹介します。
1. 時間帯指定の活用（ゆとりある日時指定）: 顧客が受け取り可能な時間帯を指定することで、再配達を減らす取り組みが行われています。
2. コミュニケーション・ツールの活用: 各宅配事業者が提供しているメールやアプリなどのコミュニケーションツールを活用し、受け取りの詳細や再配達の予定を顧客に通知することで、再配達を減らす取り組みが行われています。
3. 多様な受取方法の活用: コンビニ受取や駅の宅配ロッカー、置き配など、顧客が利用しやすい多様な受取方法を活用することで、再配達を減らす取り組みが行われています。
これらの取り組みにより、国土交通省は年間5億個の再配達削減を目指しています。再配達の削減は、CO2排出量の削減や労働力の効率化につながり、地球環境への負荷を軽減するとともに、ドライバーの労働負担を軽減することが期待されています。
再配達削減の影響：ビジネスへの期待と懸念
再配達削減は、物流業界において重要な課題となっています。再配達の削減により、物流業者は効率的な配送を実現し、顧客満足度を向上させることが期待されています。しかし、再配達削減にはビジネスへの期待と同時に懸念も存在します。
ビジネスへの期待：
1. 配送効率の向上：再配達の削減により、物流業者は効率的な配送ルートを確立することができます。これにより、配送時間の短縮や効率的な荷物の積み込みが可能となり、物流業者の業務効率が向上します。
2. コスト削減：再配達は物流業者にとって追加のコスト負担となります。再配達削減により、物流業者はコストを削減することができます。これにより、業績向上や競争力の強化が期待されます。
3. 環境への貢献：再配達の削減は、物流業界が持続可能な環境への貢献を果たす一環となります。再配達の削減により、車両の走行距離や排出ガスの削減が可能となり、環境負荷の軽減が期待されます。
懸念：
1. 顧客の利便性への影響：再配達削減のためには、顧客の協力が必要となります。顧客が受け取り場所や時間を指定するなどの対応が求められる場合、一部の顧客にとっては利便性の低下を招く可能性があります。
2. セキュリティの懸念：再配達削減に伴い、荷物を玄関前などに置く「置き配」サービスが導入されることがあります。これにより、荷物の盗難や破損のリスクが増加する可能性があります。セキュリティ対策の強化が求められます。
再配達削減は物流業界において重要な課題であり、ビジネスへの期待と懸念が存在します。効率的な配送やコスト削減、環境への貢献が期待される一方で、顧客の利便性やセキュリティの懸念も考慮する必要があります。
