eスポーツとは
eスポーツとは、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える言葉です。広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲームやビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。
eスポーツの歴史
eスポーツの歴史は1980年代に遡ります。当時、コンピューターゲームが誕生し、数多くの大会が開催されるようになりました。1990年代には日本で格闘ゲームがブームになり、欧米ではプレイヤーのプロ化が始まりました。また、インターネットの普及によってゲームのスポーツ化が加速しました。
2000年には「eスポーツ」という単語が使われ始め、産声を上げました。同年10月にはWCGC(World Cyber Games Challenge)が開催されました。2003年にはフランスでESWC(Electronic Sports World Cup)が開催され、同年11月には中国国家体育総局がeスポーツを正式体育種目に指定しました。
eスポーツの人気はますます高まり、2014年にはソウルワールドカップスタジアムで「League of Legends World Championship」が開催されました。2015年には日本で一般社団法人日本eスポーツ協会(JeSPA)が設立され、同年には一般社団法人e-sports促進機構も設立されました。
オリンピック競技としてのeスポーツの現状
オリンピックでのeスポーツ採用にはいくつかの問題点が存在します。以下に、それらの問題点をいくつかの観点から調査した結果をまとめました。
1. eスポーツのタイトルによっては内容に問題がある
2021年のOlympic Virtual Series(OVS)では、野球、自転車競技、自動車競技、セーリング、ボート競技のタイトルが採用されました。しかし、オリンピック種目としてのeスポーツでは、暴力や差別を助長する可能性のあるゲームは採用されないとされています。そのため、バトルやシューティング系のゲームは採用されない可能性があります。
2. eスポーツのルールが難しい
eスポーツにはゲームタイトルごとに異なるルールが存在し、さらにアップデートや更新が行われることもあります。そのため、観戦する際にはそれらの違いを理解する必要があります。ルールの複雑さが増すほど、スポーツに詳しくない人にとっては理解しにくくなります。オリンピック種目として採用する際には、ルールが分かりやすいという条件が重要となるでしょう。
3. eスポーツの著作権問題
eスポーツで採用されるゲームタイトルは、ゲーム会社が著作権を持っています。一般的にeスポーツ大会を開催する場合は、ゲームの著作権を持つ会社に許諾を得る必要があります。オリンピックに採用されるとゲームの知名度が上がり、売上も増えるため、著作権料も高額になる可能性があります。この著作権料の問題は、eスポーツのオリンピック競技としての採用を困難にしている一因とされています。
eスポーツがオリンピック種目に採用される可能性はありますが、まだいくつかの問題が解決される必要があります。しかし、2024年のパリオリンピックでは正式種目として採用される可能性が高まっています。Olympic Virtual Series(OVS)の成功や、バーチャルスポーツの分野で新しい視聴者との関わりを深めることを目的としたデジタルオリンピック体験の構想など、前向きな動きも見られます。
eスポーツの市場規模
2021年の日本のeスポーツ市場は78.4億円で、世界のeスポーツ市場に比べて約6.3%程度の規模でした。しかし、2024年までには日本および全体の市場規模が約1.5倍に膨れる見込みです。特に2022年の国内eスポーツ市場規模は100億円を突破し、2025年までの成長予測では210億円を超えると推定されています。
eスポーツ市場の成長は、コロナ禍におけるオンライン開催の定着によってさらに加速しています。オンライン開催とオフライン開催の相乗効果により、市場の成長速度が増加しています。2025年までの市場規模の年平均成長率は20%を超えると見込まれています。
また、2022年からはeスポーツの「イベント運営」に関するカテゴリが追加されました。eスポーツならではのイベント運営ノウハウを持った事業者によって形成された市場も拡大しており、今後も安定的に伸長していくと予測されています。
さらに、2022年の日本のeスポーツファン数は約776万人と推定されており、2025年には1,000万人を超えると予測されています。
人気のeスポーツ種目
eスポーツは、コンピューターゲームやビデオゲームを使った競技のことを指します。世界的にはeスポーツの競技人口は1億人以上、観戦・視聴者数は3億8000万人を超えています。日本では競技人口は約390万人、観戦・視聴者数は約160万人とされています。eスポーツは海外では非常に大きな市場規模を持ち、プロゲーマーやスポーツ競技としての地位が確立されています。
eスポーツの競技種目ランキング
eスポーツの種目は様々であり、世界と日本では人気のあるゲームが異なります。以下では、世界で人気のあるeスポーツ種目のランキングをご紹介します。
1. League of Legends(リーグ ・オブ・レジェンド
- 世界で1億人以上がプレイしている大人気のPCゲームで、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)です。略称はLOLです。
2. Counter-Strike: Global Offensive (CS:GO)
- チームベースのファーストパーソンシューティングゲームで、世界中で人気の高いeスポーツ競技として知られています。
3. Dota 2
- MOBAジャンルのゲームで、League of Legendsと並ぶ人気を誇ります。
4. Fortnite
- バトルロイヤルゲームで、世界的に大きな人気を誇ります。
5. Overwatch
- チームベースのファーストパーソンシューティングゲームで、世界中でプレイされています。
6. Call of Duty
- ファーストパーソンシューティングゲームのシリーズで、eスポーツ競技としても人気があります。
7. Hearthstone
- トレーディングカードゲームで、世界中でプレイされています。
8. Rainbow Six Siege
- チームベースのファーストパーソンシューティングゲームで、戦略性が求められる競技です。
9. Rocket League
- サッカーとレーシングを組み合わせたゲームで、世界中で人気があります。
10. Valorant
- チームベースのファーストパーソンシューティングゲームで、近年注目を集めています。
以上が世界で人気のあるeスポーツ種目の一部です。日本では、これらのゲームも人気がありますが、国内には独自のeスポーツ競技も存在しています。
eスポーツFPGの人気
eスポーツFPG(First Person Games)は、一人称視点のゲームジャンルであり、プレイヤーがゲーム内のキャラクターとして操作する人気のあるeスポーツジャンルです。以下では、eスポーツFPGの人気タイトルとその特徴について紹介します。
1. フォートナイト
- フォートナイトは、建築要素を取り入れたバトルロイヤルゲームであり、プレイヤー同士が戦いながら生き残ることを目指します。
- カートゥーン調のグラフィックと多様なアイテム、戦略的な建築要素が特徴であり、幅広い年齢層に人気です。
2. オーバーウォッチ
- オーバーウォッチは、チームベースのファーストパーソンシューティングゲームであり、異なる役割を持つヒーローたちが協力して戦います。
- 豊富なキャラクターとその特徴的なスキル、戦略的なチームプレイが求められるため、チームワークが重要な要素となっています。
3. リーグ・オブ・レジェンド
- リーグ・オブ・レジェンドは、5対5のマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームであり、チーム同士が戦略的なバトルを繰り広げます。
- 異なる役割を持つチャンピオンを選択し、相手の拠点を攻撃することが目標です。チームプレイと個々のスキルのバランスが求められます。
これらのeスポーツFPGは、プレイヤー同士の競技性や戦略性、チームプレイの重要性などが人気の要素となっています。さまざまな大会やイベントが開催され、プロプレイヤーたちが熱い戦いを繰り広げています。
eスポーツMOBAの競技人口
eスポーツMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)の競技人口は、世界的に爆発的に増加しています。特に「リーグ・オブ・レジェンド」や「Dota 2」などの人気タイトルが存在し、多くのプレイヤーがこれらのゲームを楽しんでいます。
MOBAは、プレイヤーがチームに分かれて陣地を争い、互いの本拠地の破壊を目指すゲームです。MOBAタイトルは、一つのゲームジャンルとして確立し、eスポーツ業界でも多数の大会が開催されています。
MOBAの競技人口の増加には、以下の要素が影響しています:
1. ゲームの魅力: MOBAは、多様なキャラクターと戦略的なプレイが特徴であり、プレイヤーに奥深いゲーム体験を提供します。
2. eスポーツの普及: eスポーツの人気が世界的に広まり、プロプレイヤーとしての活動が注目されるようになりました。これにより、多くのプレイヤーが競技としてのMOBAに取り組むようになりました。
MOBAの競技人口の増加は、eスポーツ業界においても注目されており、さまざまな大会やイベントが開催されています。また、プレイヤー同士の交流や情報共有の場として、コミュニティやオンラインフォーラムも活発化しています。
格闘ゲームのeスポーツへの取り組み
格闘ゲーム界隈では、近年eスポーツへの取り組みが注目されています。特に、カプコンの『ストリートファイター6』が格闘ゲームeスポーツの救世主として期待されています。これまで格闘ゲームは、ゲームシステムの敷居の高さや閉鎖的なコミュニティの問題から、他のジャンルに比べてやや斜陽に追いやられていました。しかし、『ストリートファイター6』の登場によって、その状況は一変しました。
『ストリートファイター6』は、発売からわずか6日間で100万本以上の販売本数を突破し、格闘ゲーム史上最高の盛り上がりを見せました。このゲームは、ゲーム内外に様々な仕掛けが施されており、格闘eスポーツ業界全体の救世主となる可能性を秘めています。
カプコンは、『ストリートファイター6』を含む格闘ゲームのeスポーツシーンの発展に積極的に取り組んでいます。例えば、カプコン公認の格闘ゲームの世界大会「CAPCOM CUP」や「ストリートファイターリーグ」など、多様な大会やリーグ戦が開催されています。これらの大会は、一般のプレイヤーが参加できる機会を提供し、世界中のプレイヤーたちが競い合う場となっています。
格闘ゲームのeスポーツへの取り組みは、単なるゲームの競技化に留まらず、ファンダムの強さやコミュニティの形成にも大きく関わっています。これまでの成功例からも分かるように、格闘ゲームのeスポーツは、一つのゲームではなく、一つのジャンルを愛するファンたちの熱意と支持によって成り立っているのです。
ストリートファイターシリーズのeスポーツ化
ストリートファイターシリーズは、競技性の高い格闘ゲームとして知られており、eスポーツの一環としても注目されています。以下にストリートファイターシリーズのeスポーツ化に関する情報をまとめました。
1. JeSU(日本eスポーツ連合)公認プロライセンス保有者:
JeSUは、競技性のある大会へ出場するプロゲーマーとして認定されたプレイヤーを公認する組織です。ストリートファイターシリーズのeスポーツプレイヤーもJeSUの公認プロライセンスを取得することが求められます。ライセンス保有者は、スポーツマンシップに則り、国内eスポーツの発展に寄与し、技術の向上に努めることを誓約しています。
2. 大会競技シーン:
ストリートファイターシリーズのeスポーツ大会は、JeSU主催のものをはじめとして、さまざまな大会が開催されています。これらの大会では、プロライセンス保有者がスポーツマンシップの精神を持って参加し、競技力を競います。また、大会競技シーン以外にも、ストリートファイターシリーズ関連の映像番組やイベントなどでも活躍が期待されています。
3. ストリートファイターシリーズの歴史とeスポーツ:
ストリートファイターシリーズは、アーケードから始まり、家庭用ゲーム機やオンラインプレイなどで広まりました。特に、1991年にリリースされた『ストリートファイターII -The World Warrior-』は、格闘ゲームのジャンルだけでなく、ビデオゲーム全体に大きな影響を与えました。このゲームの成功により、ストリートファイターシリーズは世界的な人気を獲得し、eスポーツの一翼を担う存在となりました。
以上が、ストリートファイターシリーズのeスポーツ化に関する情報です。ストリートファイターシリーズは、競技性の高い格闘ゲームとして長い歴史を持ち、eスポーツの世界でも注目を集めています。
格闘ゲームでのeスポーツ観戦
1. 格闘ゲームイベントはeスポーツイベントの成功モデルになる可能性がある:
- 格闘ゲームイベントは、対戦型格闘ゲームコミュニティ(Fighting Game Community:FGC)の情熱を活用して、観戦者を引き寄せることができます。
- 格闘ゲームイベントの成功例として、エボリューション・チャンピオンシップ・シリーズ(Evolution Championship Series)が挙げられます。EVOは世界でもっとも権威ある対戦型格闘ゲームトーナメントであり、世界チャンピオン大会として知られています。
2. 格闘ゲーム『GUILTY GEAR -STRIVE-』はeスポーツ観戦入門に最適:
- 『GUILTY GEAR -STRIVE-』はアークシステムワークスが開発した格闘ゲームであり、eスポーツ観戦の入門に最適です。
- 古参プレイヤーによると、『GUILTY GEAR -STRIVE-』は観戦の楽しみ方のコツを学ぶのに適しており、初心者でも楽しめると評価されています。
これらの情報を参考に、格闘ゲームでのeスポーツ観戦の魅力や楽しみ方を探求してみてください。