実は間違っている敬語表現4つ
ビジネスシーンにおいて、正しい敬語の使い方は非常に重要です。しかし、中には間違って使用されることがある敬語表現も存在します。本記事では、ビジネスにおいて実は間違っているとされる敬語表現を4つご紹介します。正しい敬語の使い方を学び、ビジネスコミュニケーションにおいて適切な表現を身につけましょう。
了解ですは失礼？
「了解です」という表現は、一部の人々によって上司や目上の人に対して失礼な言葉遣いとされることがあります。この考え方は近年広まってきたものであり、ビジネスパーソンの間での一般的な常識とされています。
この考え方が広まった時期は特定できませんが、2007年から2011年の間に広まったと考えられています。この時期はスマートフォンの普及が進み、ビジネスメールの利用が増えた時期でもあります。スマートフォンの普及によって社会人が長時間ビジネスメールを目にする機会が増え、ビジネスマナーへの関心が高まったことが一因とされています。
一方、「了解です」という表現が失礼とされる理由は、そのニュアンスにあります。一部の人々によれば、「了解です」は上から目線で相手を指示するような印象を与えるとされています。また、「了解です」という表現は、目上の人に対しては「承知しました」「かしこまりました」という言葉遣いがより適切であるとされています。
ただし、この考え方は一部の人々の意見であり、全ての人に当てはまるわけではありません。ビジネスシーンでは、相手との関係性や状況に応じて適切な言葉遣いを選ぶことが重要です。例えば、上司や目上の人に対しては「承知しました」「かしこまりました」という表現を使うことが一般的ですが、同僚や部下とのコミュニケーションでは「了解です」を使用しても問題ありません。
ビジネスシーンでの敬語表現
1. 敬語の種類
2. 敬語の使い方の一覧表
3. 尊敬語の例
4. 謙譲語の例
5. 丁寧語の例
1. 敬語の種類
敬語は大きく「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つに分けられます。尊敬語は目上の人に対して使い、謙譲語は自分や自分の身内に対して使います。丁寧語は相手や内容を問わず、丁寧な言葉遣いで敬意を表します。
2. 敬語の使い方の一覧表
以下はビジネスシーンでよく使われる敬語の一覧表です1(
- 尊敬語: なさる、される、おっしゃる、言われる、いらっしゃる、おいでになる、お知りになる、ご存じだ、おる、ご覧になる、お聞きになる、おわかりになる、お読みになる、お伝えになる、お会いになる、お考えになる、くださる、お受け取りになる、お掛けになる、召し上がる、お思いになる、お待ちになる、お帰りになる
- 謙譲語: いたす、させていただく、申す、申し上げる、うかがう、参る、存じる、存じ上げる、おる、拝見する、拝聴する、かしこまる、承知する、拝読する、申し伝える、お目にかかる、拝察する、差し上げる、賜る、頂戴する、座らせていただく、いただく、頂戴する、承知する、拝察する、待ちます、おいとまする
- 丁寧語: します、言います、行きます、来ます、知っています、います、見ます、聞きます、わかりました、読みます、伝えます、会います、考えます、あげます、受け取ります、座ります、食べます、思います、待ちます、帰ります
3. 尊敬語の例
- お客様がいらっしゃいます。
- おっしゃる通りです。
4. 謙譲語の例
- 弊社の担当が参ります。
- 私が伺います。
5. 丁寧語の例
- こちらが会議室です。
- 3階にございます。
敬語表現の間違いを解説
敬語はビジネスシーンなどで重要な要素ですが、正しく使える人は少ないかもしれません。以下では、よくある敬語の間違いと正しい表現について解説します。
1. 尊敬語の間違い：
尊敬語は目上の人への敬意や尊敬を表すために使われます。しかし、謙譲語と混同されることがあります。謙譲語は自分が行動する際に使われるのに対し、尊敬語は相手が行動する際に使います。例えば、「お考え」や「ご指導」は尊敬語の正しい表現ですが、「自分が考える」という場合には謙譲語の「考えさせていただく」を使います。
2. 謙譲語の間違い：
謙譲語は自分が相手に対してへりくだることで相手を立てるために使われます。しかし、適切な謙譲語の使い方を間違えることがあります。例えば、「お持ちします」という表現は正しくありません。正しい表現は「お借りします」です。
3. 丁寧語の間違い：
丁寧語は相手への敬意を表すために使われますが、間違った丁寧語の使い方もあります。例えば、「ですます調」を使う際に、語尾に「ます」をつけ忘れることがあります。正しい表現は「行きます」や「食べます」などです。
以上が敬語表現の間違いと正しい表現の一部です。正しい敬語の使い方を学ぶことで、ビジネスパーソンとしての信頼性を高めることができます。
謙譲語と尊敬語の使い分け
1. 謙譲語（けんじょうご）：自分や自分の関係する人物に対して、相手を立てるために使用します。自分が謙遜し、相手を尊重する表現です。例えば、「お伺いします」や「お手伝いさせていただきます」といった表現が謙譲語に該当します。
2. 尊敬語（そんけいご）：目上の人や尊敬すべき存在に対して使用します。相手を敬い、尊重するための表現です。例えば、「おっしゃる」「お目にかかる」といった表現が尊敬語に該当します。
3. 使い分けのポイント：
- 謙譲語は自分や自分の関係する人物に対して使用し、相手を立てるために使います。
- 尊敬語は目上の人や尊敬すべき存在に対して使用し、相手を敬い尊重するために使います。
4. 例文：
- 謙譲語の例文：「お手伝いさせていただきます」「お伺いします」
- 尊敬語の例文：「おっしゃる」「お目にかかる」
謙譲語と尊敬語の使い分けは、相手を敬い尊重するための表現方法です。適切な敬語の使用は、日本語の社会的なマナーやコミュニケーションにおいて重要な要素です。
ラインやメールでの敬語表現
ラインやメールでの敬語表現のポイント
1. 相手に対する敬意を示す表現を使うことが重要です。相手に対して丁寧な印象を与えるために、敬語を使用しましょう。
2. 「お願いします」は基本的な敬語表現であり、相手との関係性を問わずに使えます。他にも「お願いいたします」「お願い申し上げます」なども使われます。
3. 「お願いします」を使いすぎると単調な印象を与えることがあります。バリエーションを持たせるために、以下の言い換えフレーズを使ってみましょう。
ラインやメールでの敬語表現の言い換えフレーズ
1. 「お願い」を「ご依頼」に変える
- 例: 「ご依頼いたします」「ご依頼申し上げます」
2. 問いかけの形にする
- 例: 「～をお願いできますか」「～をお願いしてもよろしいでしょうか」
具体的な使用場面
ラインやメールでの敬語表現は、以下のような場面で使用されます。
1. 初めての連絡
- ビジネスシーンで初めてラインやメールを通じて連絡を取る際に、「LINEで失礼します」という表現が使われます。これにより、敬意を示し、相手に対する配慮を表現することができます。
2. 知り合いとの非公式の連絡
- ラインやメールで知り合いと非公式な連絡をする場合でも、「LINEで失礼します」という表現が使われることがあります。これにより、相手に対する敬意を示すことができます。
上司や部下との適切な敬語
1. 目上の人に対しての敬語の使い方
- 「了解しました」の代わりに「承知致しました」「かしこまりました」などを使いましょう。
- 「○○してください」の代わりに「○○して頂けますと幸いです」「恐れ入りますが、○○して頂けますでしょうか？」などを使いましょう。
- 「ご苦労様です」の代わりに「お疲れ様です」を使いましょう。
- 「なるほど」の代わりに「さようでございますね」「おっしゃる通りですね」といった言い回しを使いましょう。
- 「協力してください」の代わりに「ご協力をお願い致します」を使いましょう。
- 「○○さんはおられますか？」の代わりに「○○様はいらっしゃいますか？」といった表現を使いましょう。
2. 部下に対しての敬語の使い方
- 目下の人に対しては、丁寧語を使いましょう。
- 「お願いします」の代わりに「お願い致します」「お願いいたします」などを使いましょう。
- 「ありがとうございます」の代わりに「ありがとうございました」「お手数をおかけしました」といった表現を使いましょう。
適切な敬語の使い方は、相手の立場や関係性によって異なるため、注意が必要です。上司や部下とのコミュニケーションにおいては、相手の敬意を示すために適切な敬語を使うことが大切です。
正しい敬語の使い方
敬語は、日本語において目上の人や相手を尊重するために使われる言葉や表現のことです。正しい敬語の使い方を知っておくことは、ビジネスや日常生活でのコミュニケーションにおいて重要です。
仕事や職場での敬語マナー
1. 社外の人に対しては常に敬語を使うことが基本です。取引先やお客様など、社外の人とのコミュニケーションでは、年齢や立場に関係なく敬語を使用しましょう。
2. 二重敬語に注意しましょう。二重敬語とは、すでに敬語表現を使っているにもかかわらず、さらに別の敬語表現を重ねる言葉遣いのことです。相手に違和感や不快感を与える可能性があるため、避けるようにしましょう。
3. 社外の人に対して、自社の上司に敬語を使わないようにしましょう。また、ビジネスの場で自分の家族について話す際も、家族に対して敬語を使うことは避けましょう。身内ではない人に対して、身内のことを話す際は、敬語を使用しないことが基本です。
4. 普段の口癖に気を付けましょう。ビジネスシーンでは、日常的に使っている口癖が自然に出てしまわないように注意しましょう。稚拙で軽薄な印象を与える言葉やぼかし言葉は避けるべきです。
5. クッション言葉で相手に配慮しましょう。依頼やお断りをする場面では、クッション言葉を利用することで、会話を円滑に進めることができます。クッション言葉と疑問形を組み合わせることで、感じの良い話し方になります。
これらのポイントを意識して、仕事や職場での敬語マナーを守りましょう。
失礼ではない返事の言い換え方
1. 「はい、承知しました」「はい、かしこまりました」
- 納得の意味で使いたい場合に適しています。相手の意見に従う気持ちを表すことができます。
2. 「了解しました」
- 「承知しました」「かしこまりました」と同じ意味で使用できます。
3. 「お気遣いなくお願いいたします」
- 「返信不要」を伝える際に使用する丁寧な表現です。相手の気遣いや心情に感謝しながら、返信が必要ないことを伝えることができます。
4. 「ご返信は無用です」
- 「無用」は、「いらない、不要」という意味があります。「ご無用です」とすることで、相手の気遣いや心情に感謝しながら、返信が必要ないことを伝えることができます。
5. 「ご返信にはお気遣いなく」
- 「お気遣い」に打ち消しの「なし」を付け加えることで、相手を敬いながらも、返信が必要ないことを伝えることができます。
6. 「ご返信には及びません」
- 「〜には及ばない」という表現を使用して、相手をたてながら、返信が必要ないことを丁寧に伝えることができます。
7. 「ご返信いただかなくても結構です」
- 「結構です」は、「それ以上に必要ない」という意味があります。「ご返信いただかなくても結構です」と言うことで、相手に返信が必要ないことを伝えることができます。
これらの表現を使うことで、失礼ではない返事を丁寧に伝えることができます。
異なるシーンでの敬語の適切な表現
【1】自分の家族について改まった場面で話すときの敬語の表現
- 一般的には、改まった場面で自分の家族について話す際には、「父・母・祖父・祖母・伯父（叔父）・伯母（叔母）・兄・姉」という敬語を使うことが適切です。ただし、日常生活の場では相手との関係や状況に応じて、「父親・母親・おやじ・おふくろ・おじいちゃん・おばあちゃん」といった言葉を使い分けることもあります。
【2】保護者への電話で教師の不在を伝える際の敬語の表現
- 保護者への電話で教師の不在を伝える際には、教師のことを「田中はおりません。」と伝えるのが適切です。ただし、保護者によっては「田中先生」という敬称を使うことを好む場合もあります。学校では生徒を基準にして教師を優先させるため、教師の敬称を使うことも一般的です。
【3】自分が日常は敬語を使って話している上司のことを他の人に話す際の敬語の表現
- 自分が日常的に敬語を使って話している上司のことを他の人に話す際には、「上司の名前」と呼ぶことが一般的です。例えば、「田中」と呼ぶ場合は、そのまま「田中」と呼ぶことが適切です。ただし、改まった場面では「弊社の部長」といった表現を使うこともあります。
【4】社内の忘年会で司会をする際の敬語の表現
- 社内の忘年会などの場合、社長からのあいさつをする際には、社長を立てる敬語を使って「社長からごあいさつを頂きます。」と言うのが適切です。一方、社外の人が多くいる会の場合には、その人たちを立てる敬語を使って「社長からごあいさつを申し上げます。」と言うのが適切です。
以上が、異なるシーンでの敬語の適切な表現に関する情報です。
